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SPRING幹事より

2014年4月11日

学校法人新潟総合学園(NSGグループ) 総長 池田 弘 氏

「起業による地域活性化目指す」

NSGグループは、「事業創造で、幸せな社会を」を経営理念として、新潟を中心に教育関連事業や医療福祉事業、総合給食事業などを展開してきた。

教育関連事業では、デザインや観光、ファッション、福祉、音楽・放送、メディカル、ホテル・ブライダル、美容師、ペット、調理・製菓、農業・バイオなど、26分野31校の専門学校のほか、高校、大学、大学院を運営している。カリスマ美容師や評判の高いオーナーシェフなど、各分野にスペシャリストが現れ、従来の「いい大学を出て、大企業に就職する」という単線型の社会から、複線型の社会へと時代が変わってきたことに対応し、様々な分野の学校を設立してきた。

海外の18カ国105校の優れた学校と姉妹提携するとともに、資格取得やコンクールの上位入賞ができるよう、カリキュラムを徹底的に改定することで、新潟という地方都市の専門学校でも日本一になれることを実践してきた。一流のスペシャリストになれれば、社会的にも評価され、仕事も来て、評価にふさわしい収入も得られる。日本にこれまでなかった専門学校をつくることで、学生に夢を与えてきた。

1998年には「アルビレックス新潟」の初代代表取締役に就任した。これまで日本のスポーツチームは企業が所有する実業団チームが大半だったが、スポーツとは本来、地域に根ざして存在し、地域の人々の支援で運営すべきものだ。「おらがチーム」というコンセプトを明確にして、地域の皆さんに広く薄く支えていただくことで、一人一人が経営者だという構造をつくりあげることによって、2003年から3年連続でJリーグ1位の観客動員数を記録した。

明治維新によって日本は、地方分権を中央集権に変えることで近代化を果たしたが、もはや地方を支える力は中央には残っていない。日本が持続的に成長していくためには、地方分権に転換し、本来、地方が持っているポテンシャルを最大限に生かす仕組みをつくらなければならない。

地域が活性化するためには、次から次へとベンチャー企業がわき起こることで、地方に本社のある企業が数多く出てきて、地域が経済的にも自立できるようにすることだ。

NSGグループに現在所属している法人・企業は21を数え、グループの正規従業員は約4000人になった。創業を支援している会社を含めると、約7000人の雇用を創出している。

地域の活性化や中小企業の振興では、補助金や事業再生、失業対策などの施策がとられることが多いが、社会や経済が成長・発展していくにはベンチャーによる事業創造が不可欠だ。既存の古い考え方からはなかなか新しいものは生まれてこない。

チャレンジすることをよしとしない社会を変え、起業の風土を醸成することも大切だ。倒産したら経営者が夜逃げをせざるをえないような個人保証の制度を変え、再チャレンジできる新たな仕組みを構築すべきだ。

サービス産業生産性協議会は、グローバルサービスの展開や次世代人材の育成などに取り組んでいるが、サービスを提供するサービス産業は、製造業に比べ、「人間力」をベースとする経営がより重要になる。 そのためには、人間力を最大限に高める施策や、人間力を上げるための教育、経営理念を従業員に浸透させていく手法などを開発していくことが必要だ。日本の「おもてなし」のベースは「心」だと思うが、そうした心を高めるための方法についての議論が協議会ではあまり出ていない。

1月には「第11回渋沢栄一賞」をいただいた。日本資本主義の父と言われている渋沢栄一は、民間企業が大きくならないと日本は欧米列強の植民地になってしまうとの考え方から、生涯を通じて、多種多様な企業約500の設立・育成にかかわったといわれている。

日本は今、明治維新、戦後の復興期に次ぐ、第三の大きな岐路に立たされている。日本にはまだまだ個性のある地方がたくさんある。今こそ、各地方に渋沢栄一が必要だ。

冷暖房に恵まれ、自然の中で育つという幼時体験もなく、自然から離れて育った人間は、何でもコントロールできると思っている節がある。そうした人間が国を担うと、国を間違った方向に導きかねない。東京一極集中による同質化は、集団を弱くする。

私は、尊敬する渋沢栄一の業績を1社でも上回る企業を育成しようと「異業種交流会501」という創業支援の組織を立ち上げている。501社の公開並み企業をつくることで、民間の立場から、人々が幸せになれる地方のモデルを新潟につくっていきたい。

池田 弘 氏(サービス産業生産性協議会幹事)・談

生産性新聞2013年10月15日号「サービスイノベーション~今後の展望~」掲載