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【連載】サービス産業の業務仕組み化

2022年11月25日

【第12回】業務基準書作成の事例~サッポロドラッグストアー編~ 後編

 
業務基準書作成において苦労した点
 現場の有志たちに業務基準書のたたき台を出してもらう際、粒度にばらつきが出てしまうという問題点がありました。これは、現場で当たり前のように行われている業務を「暗黙知」として記載していない場合があるからです。それらを「形式知」として記載するために、ルールが曖昧なものはルールを決める作業からスタートしなければならず、想定以上に時間を要したそうです。
 
業務基準書導入後の効果
 
  1. 「サツドラポスト」との相互作用
    業務基準書の見直し・更新には、先述した「サツドラポスト」の存在が欠かせません。このツールに挙げられる問題点・改善策などの現場の知恵が、ノウハウとして業務基準書に掲載されることで、スピーディーな水平展開を可能にしています。また、「サツドラポスト」に記載した内容には必ず本部から回答があり、誰もがやりとりを閲覧できます。自分たちの意見が業務基準書に反映されることもあるため、モチベーションの向上に繋がっています。
  2. 新人教育の標準化
    業務基準書は新人教育の際に必ず活用され、新規入社の人が入社2ヵ月以内に習得しなければならない業務が指定されており、教育者はそれに基づいて教育を行います。2ヵ月後には、理解度を測るテストを実施し、合格点に達するまで再教育と再テストを実施するため、バラつきなくスキルを習得できます。
  3. 内部監査への活用
    業務基準書は、内部監査の際に店舗の業務が基準まで実行されているかチェックするための重要な役割を担っています。店舗側は内部監査で指摘されることがないように日頃から業務基準書を意識するという効果が生まれています。また、内部監査は店舗側を指摘するだけでなく、業務基準書にも改善が必要な箇所がないかのチェックも行います。
  4. アウトソース先での活用
    アウトソースしているヘルプデスクにもデジタル版の業務基準書を共有・開放しており、店舗からの問い合わせ時に活用しています。デジタル化によって常に最新の状態に更新されている業務基準書を双方で確認しながら説明することが可能となり、アウトソース先の企業にも大変好評です。
 
本部と現場の信頼感から生まれた「改善の風土」

 現サッポロドラッグストアー様のインタビューを通して感じたのは、業務基準書の推進・改善の仕組み化を成し遂げられた要因として、現場から改善意見を出しやすい土壌をつくるための様々な取り組みにあると感じました。先述した「サツドラポスト」はもちろん、改善意見を出した従業員への表彰、そこから少し形を変えた表彰制度の「サツドラウェイアワード」などを実施し、本部と現場の信頼感を高めています。また、一つのツールが陳腐化しないようブラッシュアップを試み、従業員に刺激を与えるように意識されているそうです。社内の風通しの良さから生まれた改善の風土、そして常に前を向いているこの姿勢こそが、サッポロドラッグストアー様の成長の秘訣であると実感いたしました。