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【連載】サービス産業の業務仕組み化

2022年7月1日

【第3回】業務基準書作りは優先順位付けがダイジ 前編

 

業務基準書作りは優先順位付けがダイジ
 
今回の連載では、業務基準書の作り方の全体像と業務棚卸しについてお伝えします。
 
業務基準書は全体を俯瞰してから作成
 業務基準書(マニュアル)というと、部門の担当者が仕事を覚えるドキュメントだと考えがちです。確かに最終的な使い道を考えると間違いではありません。しかし、作成プロセスに焦点を当てると「業務改善」といえます。業務基準書を作るには、業務を作業レベルで見える化する必要があるため、業務の問題点に気づくことができます。それらを徹底的に改善していけば、ミスの減少や作業時間の短縮につながるのです。
 業務基準書を作成するためには、業務をすべて洗い出し、優先順位をつけて作成するのが効率的です。優先順位をつけたあと 、業務を1つひとつ見える化し、やり方を評価、文書化するという流れです。業務改善につながるのは、業務を見える化し、やり方を評価するからです。
 
図表.1 業務基準書の作成の流れ

どの業務基準書から作成するか、優先順位のつけ方には様々な考え方がありますが、私は財務的なインパクトにつながり、現場が業務基準書を作成してよかったと思える業務の優先順位を高くしています。
担当した企業では、次のようなマトリックスで考えました。
 
図表.2 担当企業した企業での優先順位付けの例
 
縦軸はどの企業にも共通していて、業務に使っている時間とし、時間が多いほど優先順位を高くしています。多くの時間を使っている業務が改善・標準化されていけば、作業時間が短縮され、投入人時の削減につながるからです。
横軸は企業によって異なりますが、経験年数の浅い人が担当する業務の優先順位を高くすることもあります。 経験年数の浅い人ほど業務基準書を見ることが多く、やり方が統一されていくからです。さらには業務基準書を教科書として教育すれば、ベテランの教える時間も少なくてすみます。新人もベテランも業務基準書を使うことで仕事が楽になれば、業務基準書への抵抗がなくなります。また現場が困っている業務の優先順位を高くすることもあります。
 いずれにしても、財務的なインパクトにつながりやすく現場も楽になる業務から優先的に作成すると、業務基準書の作成や活用が進みます。
 
どの大きさで業務基準書を作るか
 仕事には大きさがあり、どの大きさで業務基準書を作成するかは悩みどころの1つです。大きな単位で作成してしまうと、業務基準書を確認したいときに必要な箇所を探すのが大変です。一方、小さい単位で作成してしまうと、1つの業務をするのに複数の基準書を確認する必要があり、これも負担がかかります 。そのため、適切な大きさで業務基準書を作成することが必要となります。
適切な大きさを提案してほしいと、クライアントからリクエストをいただきますが、これも難しいところがあります。やり方や分業の仕方で仕事の大きさは変わるため、企業や部署ごとに考える必要があるからです。たとえば「野菜炒めを作る」という仕事であっても、1人で作る企業もあれば、分業して作る企業もあります。1人で作る企業であれば「野菜炒めを作る」という仕事を洗い出しますが、分業する企業であれば「野菜を洗う」「野菜の皮をむいて切る」「炒める」など の仕事に分けて洗い出します。
大きさの目安として、下図のイメージで業務・作業・詳細作業の3つの階層を意識するように助言しています。
 
図表.3  業務の大きさのイメージ