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【連載】CS向上を科学する

2021年12月13日

【CS向上を科学する:第100回】サービス改革のガイドマップ~start small, but start now!~

 


 

松井サービスコンサルティング  
代表/
サービス改革コンサルタント  
松井 拓己  

 

 

サービスイノベーションやサービス開発、サービス改革などと題して、高い変革目標を掲げる企業が増えています。同時に、目に見えない“サービス”をどのようにイノベーションしたり、開発や改革したらよいのかと、悩んでいる企業が少なくありません。「小さく始めて大きく育てる」と言うは易しですが、いったいどこから手を付けたらよいのか、どうやって発展させたらよいのか。今回はその取り組みを推進するためのガイドマップを紹介します。鍵は、目に見えない“サービス”を見える形に「設計」することと、その実践を通して「小さくても上手くいく所を作る」ことです。


壁にぶつかることは大前提。壁に挑むことでサービス改革は進化する

サービス変革を阻む6つの壁(顧客不在の壁、建前の壁、闇雲の壁、実行の壁、継続の壁、情熱の壁)これらにぶつかり、乗り越えることを前提に、サービス改革にアプローチすることが大切です。これまでサービス改革に取り組んできた企業の中には、壁にぶつかってギブアップしてしまったというケースは少なくないと思います。サービス改革にはどんな壁があり、どうしたら乗り越えられるのかを知っておくことは、改革を力強く推進するために欠かせません。
(詳しくは、当コラム第45回「日本の優れたサービス」をご覧ください。)

ただしサービス事業のステージアップは、6つの壁を1度乗り越えるだけでは不十分です。壁を乗り越えながら、変化を確信に変えて、仲間を増やしながら、新たなサービス事業の姿を創り上げていく必要があります。それでは一体、何回壁を越えれば良いのでしょうか。

答えは4回です。

6つの壁を4回越えることで、サービス改革を実現するステップを総称して“4UPステップ”と呼んでいます。サービス改革をスモールスタートして、まずはコアメンバー自身で6つの壁を乗り越えて熱意に火を付ける「wake up」ステップ。続いて、コアメンバーが仲間とタッグを組んで活動範囲と成果・変化を拡大する「tie up」ステップ。さらには、その取り組みを組織全体に波及する「scale up」ステップ。そして最後は、その取り組みを“しくみ”として構築して、誰かの旗振りやモチベーションに頼り切らなくても高いレベルのサービスを実現できるように、サービス事業の当たり前レベルを高い次元に押し上げる「build up」ステップ。
(詳しくは、当コラム第75回「4UPステップ」をご覧ください。)


サービス改革のガイドマップ

この4つのステップを6つの壁を乗り越えながら上がっていくことで、サービス事業の大きな変革に取り組むのです。そのための努力のポイントを、「6つの壁×4UPステップ」のマトリックスに整理しました。サービス改革のスタートラインに立つとき、壁にぶつかって諦めてしまいそうなとき、あるいはステップアップのチャンスを感じたとき、次の一手の道しるべとして、このサービス改革ガイドマップを活かしていただけたら嬉しく思います。

ステージアップしたサービス事業では、今までと違う風景が広がります。新たなチャレンジの種が見つかることでしょう。壁を乗り越えてサービス事業を変革した経験を持った事業は、変化や成長に前向きかつ貪欲で、進化が頭打ちしないのです。是非そんなイキイキしたサービス事業への進化を、皆さんの手で推進いただけたら嬉しく思います。そしてその第一歩は、皆さん自身がサービス改革に込める熱い思い(ビジョン)や危機感と、それを目に見えるサービスの姿に変える「事前期待の的」を中心に据えたサービス設計へのチャレンジから始まります。
(詳しくは、当コラム第7回「サービスの本質に迫る、サービスの定義」をご覧ください。)

当コラムでは、そのカギとなる「事前期待の的」を見定めるための着眼点や手法を、今後数回にわたって紹介していきたいと思います。そこから、皆さんらしいサービス改革の糸口を掴んでいただければ幸いです。


【お礼】

2014年に始まった当コラム「CS向上を科学する」は、今回で100回を迎えることができました。読者の皆さん、運営を支えてくださるサービス産業生産性協議会の皆さん、本当にいつもありがとうございます!

CS向上を科学するセミナーでは、コラムを印刷してたくさんの質問を持ってきてくださった方、次はこんな内容をとリクエストをくださった方、サービス改革で悩んだときの参考にしてくださった方など、これまでにたくさんの読者の方にお会いさせて頂き、多くの気付きや勇気を頂きました。

当初は、サービスの本質論を少しでも多くの方々にお届けしたい一心でスタートしました。その後、2015年には日本サービス大賞が始まり、受賞サービスを応援させて頂くコラムも書かせていただきました。読者の方からのご質問やリクエストにお答えするコラムもあります。サービス改革やサービス研究をご一緒させていただく中で生まれた気付きを発信させていただいたこともあります。

このコラムは、まさに皆さんと一緒に「共創」してきたのだと実感します。本当にありがとうございます!

戦後最大の国難であるコロナ禍の真っただ中で100回目を迎える当コラムは、この時代の転換期の当事者として、イキイキとサービス事業を進化させる取り組みのヒントになれるよう、これまで以上に、より実践的な内容に踏み込んだ内容をお届けしたいと思っています。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。


 

※参考書籍はこちら

価値共創のサービスイノベーション実践論

日本の優れたサービス 1、2





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<筆者プロフィール>
 


 松井 拓己 (Takumi Matsui)  
 松井サービスコンサルティング  
 代表
 サービス改革コンサルタント/サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業の支援実績を有する。国や自治体、業界団体の支援や外部委員も兼務。サービスに関する講演や研修、記事連載、研究会のコーディネーターも務める。岐阜県出身。株式会社ブリヂストンで事業開発プロジェクトリーダー、ワクコンサルティング株式会社の副社長およびサービス改革チームリーダーに従事した後、松井サービスコンサルティングの代表を務める。
著書:価値共創のサービスイノベーション実践論(生産性出版)、日本の優れたサービス2~6つの壁を乗り越える変革力~(生産性出版) ほか
 
▼ホームページURL/サービスサイエンスのご紹介
http://www.service-kaikaku.jp/