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【連載】サービス産業の業務仕組み化

2018年1月10日

【サービス産業の業務仕組み化:第1回】

 




(公財)日本生産性本部
主任経営コンサルタント
鍜治田 良


 

 

人手不足を解消する初めの一歩は「業務仕組み化」

1.人手不足が企業の生き死にを左右する時代

 景気回復を背景に多くの現場で人材不足が叫ばれています。このような現場の状況は、企業経営にも影響を及ぼし始め、2014年頃から人手不足による倒産件数は増加し、直近では、人手不足により倒産する企業の規模も大きくなっています。働き手が集まらず、店舗を休業した飲食店も記憶にあると思います。私のクライアントからも、人手が足りないことを理由に受注を断るケースや、外注先から発注を断られるケースを頻繁に聞くようになりました。人手不足の改善には労働力を確保すること、生産性を向上させることの2つの方向性が考えられます。

2.労働力確保のために必要なこと

 労働力確保のためには、採用を増やすか、離職を少なくする対策が必要となります。採用を増やすには、多様な人が働けるような労働環境を作る必要があります。たとえば、働く時間帯の幅を広げたり、スキルがない人でも採用の対象になるように工夫することです。そのためには、業務を抜本的に見直し、スキルの必要な仕事はより簡単なやり方にしていくことが必要となります。また、離職を少なくするには、入社後のストレスを少なくすることです。あるサービス業で離職対策支援を行った際、短期間で辞めていく人の多くが、OJT教育の中でのストレスを理由に挙げていました。その多くは、教育する人によって作業のやり方が異なるので、何が正しい作業なのかわからなくなるというものでした。ただでさえ、新しい環境でストレスを感じているのに、何が正しい作業なのかわからない状況で仕事をするのは非常にストレスがかかることです。実はもっと怖いのは離職が新たな離職を誘発することです。離職により他のメンバーへの負担が大きくなり、さらに離職者が出て、残ったメンバーにはさらに負担がかかるといったマイナスのスパイラルに陥るのです。

3.生産性向上のために必要なこと

 生産性向上には、業務自体の時間短縮をすることと、部門間、個人間の業務量のばらつきを小さくすること(仕事の相互応援)が挙げられます。業務自体の時間短縮をするには、残業時間の目標設定だけでは、根本的な解決には至りません。地道に業務一つひとつのやり方を見直すことが必要となります。しかし、多くの企業において、業務マニュアル類が整備されておらず、業務がブラックボックス化しているのが現状です。ブラックボックス化が進んだ企業では、上司でさえ、部下の業務内容を把握できない部門もあります。部門間、個人間の業務量のばらつきをなくすために部門間や個人間での仕事の応援を行うことについても、業務が部門や個人でブラックボックス化されていると、上司が部下の状況を把握できず、応援を受け入れたり、応援に出したりすることすら難しくなります。

4.労働力確保、生産性向上のための前提条件は業務の見える化

 労働力確保や生産性向上のためには、そもそもどのような業務をどのように行っているのかを「見える化」することが必要です。具体的にはマニュアルの整備です。マニュアルによって、やるべき仕事とその仕事のやり方が明確になっていることで、スキルが必要な業務のどこを変えればスキルのない人でもできるようになるのか、会社として正しいやり方はどのようなやり方なのか、どの業務のどの作業に時間がかかっているのか、部下がどんな仕事をどれくらい抱えているのかなどを把握することができるのです。ただ、マニュアル人間という言葉があるように、マニュアルを使うことで融通が利かない人が育つといった意見もあるようです。具体的には改善が進まない、言われたことだけやっていればよいといったものです。これらのデメリットを少なくしたのが、「業務仕組化」という取り組みです。この取り組みはマニュアルを、やり方を伝えるコミュニケーションツールではなく、改善ツール、人材育成ツールとして活用しようというものです。 次回は、「業務仕組化」について詳しくご紹介します。

※「小売サービス業の現場働き方改革セミナー」(2018年2月8日(木)開催) はこちら

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<筆者プロフィール>
    


 鍜治田 良   
 (公財)日本生産性本部  
 主任経営コンサルタント

製造業の改善、管理手法をサービス産業のオペレーション改善に活かし、サービス産業の生産性向上の支援を行っている。食品小売・薬局・ドラッグストア・通信販売会社などを支援している。
        

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