成果報告

小川孔輔 氏

日本版CSI(顧客満足度)について

小川孔輔
CSI開発ワーキンググループ委員長
法政大学大学院教授

■日本版CSIの特長

CSIというのは、もともと15年前にアメリカで最初に考えられた指標です。韓国でも10年ほど前に始まっていますし、現在はシンガポール、あるいはヨーロッパでも行われています。
これらの世界での経験をベースに、最新の知見を加えていく1年10カ月の開発期間を経まして、おそらく世界でNo.1のクオリティをもったものができたと自負しております。

CSIの1番目の特長は、業界の横断的な指標をつくっているということです。CSIの目的は、同じ業界のなかで自分はNo.1か最下位かを決めることにあるのではなく、他の業界で学ぶところがあるとすれば、その比較ができるということにあります。

2番目は、業種、企業を中・長期的なレンジで評価できるということです。企業各社も自社の顧客データをベースにした調査、サービス・クオリティの改善と努力のための調査を行っていますが、それは短期的な対応です。そうではなくて、私どもが考えているのは、中・長期的に企業のサービスを評価しようということなのです。

3番目はこれからの努力に依存しますが、経営目標としての活用を可能にしようということです。これはおそらくアメリカや韓国とは違った方向を向いています。

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■具体的な例を参照しながら

[図1]の満足度モデルは、お客様が満足する理由とその結果です。期待から評価、評価から納得、納得から満足、満足から他者への推奨、そして利用となります。

矢印は濃ければ濃いほど因果関係が強く、白ぬきや点線は弱いということです。期待は品質評価に大きく関係があります。品質を評価したあと価格を見て納得し、満足する、そして他者への推奨ときますが、その他は少し弱くなっていると見てください。

この「顧客満足」や「他者への推奨」など、それぞれのところで個々の業種・企業に対して実際に利用をしているお客様の判断結果が数値データで算出できています。これらのデータ比較が利用できることに加え、それぞれの関係・影響度がわかります。

[図1]
[図1]?日本の消費者の共通満足度モデル

業界ごとに見ていきます。

フィットネスクラブは価格への納得が強い[図2]。フィットネス産業というのは価格にシビアなお客様がたくさんいるということです。また、満足と再利用意向、つまり再契約の因果関係が非常に強いということが分かります。

国内航空の場合はそうではなく、期待が顧客満足を決めているという側面、他者への推奨が他の産業に比べて、利用意向につながる傾向があるということが分かります[図3]。

これらのモデルにある「予想・期待」や「品質評価」「価格への納得感」「顧客満足」「他者への推奨」「利用意向」、それぞれにおいて企業別、業界別に指数化を行い、比較することができるようになりました。今後は、これらを利用して、分析や結果探求などができるようになってきます。

[図2]
[図2]?フィットネスの業種満足モデル
[図3]
[図3]?国内航空の業種満足モデル

■調査方法の信頼性

最後に調査方法ですが、先ほども申し上げたように、おそらくこれは世界で類を見ないほどクオリティが高いサンプルであるということです。調査手法の比較検討なども多様に行うことで、日本でサービスを利用された結果に対する「お客様の声」を客観的に把握する仕組みを構築できています。
われわれはこの方法論により、1年間かけて18業種、150社以上のサンプルを集めました。

今後は産業界のみなさんにご協力していただきまして、このCSIの指標を使ってサービス産業、あるいは流通業、メーカーのサービス部門の生産性を上げていくことに貢献していきたいと思っております。本日は話を聞いていただきまして、どうもありがとうございました。

関連リンク ●第3分科会 日本版CSI(顧客満足度)開発報告

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