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リーダーの声

2015年7月17日

株式会社カーブスジャパン 代表取締役会長兼CEO 増本 岳 氏

「新しい顧客を創造するビジネスモデル」

カーブスとは?
カーブスは女性だけの30分健康体操教室です。一般のフィットネスは駅前で健康な人が体を鍛えに来るというイメージですが、当社は「介護予防、病気予防、健康づくりの為に運動しましょう」という趣旨で、身近なフィットネスクラブとして発展してまいりました。もともとアメリカのテキサス州で1992年にスタートし、今では80数カ国で展開しています。日本では2005年の2月にカーブスジャパンを設立しました。フランチャイズの展開を始め、現在全国で1501店舗67万人の方々にご利用いただいています。1500店舗もいったいどこにあるのかとよく聞かれますが、他社のフィットネスクラブと違い、40~50坪程度の非常に小さな店舗で住宅地などを中心に商店街はずれのコンビニ跡地2階、ショッピングセンター内、スーパーマーケット2階などが主な店舗になります。
年齢層は40~70代と今までフィットネスクラブに1回も行った事がない初めての方々です。50才以上のお客様が会員数の83%以上を占めます。最高齢のお客様は99才、広島でマシーンを使って筋トレをされていて、非常にお元気です。始めやすくて続けやすい事を重視し、しっかりしたとした運動ですが体に無理がかからないレベルで、疲れが残りません。また、コミュニティの場として一緒に運動をして仲間づくりが出来るという点も大変好評な特長の一つです。

エビデンス・ベースト・エクササイズ
プログラムは、医学的、科学的な根拠を持っています。様々な研究機関や大学で、我々の30分エクササイズは医学的な効果があると検証されています。寝たきり介護の予防に非常に効果があり、また生活習慣病の発症率も下げ、血管年齢が若返るといわれています。簡単で誰でも出来る運動ですが、実は非常に効果性が高い運動プログラムと自負しております。正しい運動の仕方を続けていけば必ず体は変わります。例えば杖無しでは歩けなかった方が、1~2年で杖要らずになり歩けるようになりました。この仕事を始めて10年経ちますが、人間の体ってすごい力を本当は秘めているのだと、日々お客様から学ばせていただいています。

筋力トレーニング+有酸素運動+ストレッチ
サーキットトレーニングといい、円形状にトレーニングマシーンを12種類並べ、マシーンの合間にステップボードを配置し、筋力トレーニングと有酸素運動を30秒ごとに交互に回りながら運動するというスタイルです。この筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせる事によって、脂肪燃焼効果、運動効果が非常に高い。ウォーキングに比べて脂肪燃焼効果が、30分で約3倍というエビデンスを取っています。女性のための運動と言うとウォーキングなどの有酸素運動と思われている方が多いのですが実はそれだけでは不十分です。生活習慣病の原因は内臓脂肪であり、内臓脂肪が増えるのは筋肉が年齢とともに減少し、代謝が悪くなるためです。また介護の大きな要因も筋力の低下です。ですから、筋力トレーニングこそが女性にとって大切な運動なのです。週2~3回通って、通常のフィットネスクラブよりはかなり短時間で、日常生活の中で運動を取り込ませているというスタイルです。

優秀な女性人材を採用しやすい環境でビジネス展開。当社のインストラクター達は、本当に情熱を持って懸命に努力しており、そんな加盟店と人材に恵まれて共に仕事を出来た事が幸運だったと思います。

カーブスの経営のあり方「顧客の創造」「使命感による経営」
「顧客の創造」は創業の頃から変わらず言い続けています。他社の顧客を奪うのではなく、自らの力で新しい市場を創るのだという意味です。私達のお客様は、今まで運動をしていなかった人達、フィットネスクラブには行ったことがなかった人達です。ですから、他者から奪いとって会員数を伸ばしたのではなく、新しい市場を創ってきたのだという自負があります。
カーブスを日本でスタートしようとした時に、フィットネス人口比率が当時人口の3%、約400万人弱でした。対してのアメリカは人口の18%が通っている。「日本にはマーケットがないのでやめた方がいい」と随分言われましたが、私はこれから15%伸びる余地がある、1800万人くらいの膨大なマーケットがあると考え、そこにチャレンジしてきました。同時に「日本のフィットネス人口、運動する人の数を絶対増やす」という思いでこの仕事をしてきました。
もう1つには、「使命感を持って経営しよう」という事です。初めこの事業を日本でスタートした時には、簡単にお店を出せたわけでも会員が集まったわけでもありません。立ち上げにかなり苦労した経験をしてきました。何のために日本にカーブスを持って来て、何のためにこのビジネスを広げて今やっているのかという事です。真の目的は、「病気と介護の不安のない、孤独な人が1人もいない高齢化社会を作ろう」という事です。

利益の源泉
成長の源泉や利益の源泉というのはCS(お客様の満足度)、ES(働く人の満足度)です。我々サービス業の場合は、お客様に喜ばれるという事と、働く人が仕事に本当に情熱を燃やしてやりがいを持ってやってくれるという事、この2つをうまく重ね合わせて初めて企業の成長力がつくと思っています。

来店理由を3つにする
我々のようなビジネスの場合、お客様に運動を継続していただくというのが1番大事なことです。運動というのはなかなか続けるのが大変です。ビジネスモデルとして、女性限定で30分は続けやすい、家の近くにある、という事もありますが、プラスαのソフトが大事です。お客様に通って貰うための3つの理由を作りました。

  1. 運動するために来る。=1人1人の状態に合わせて丁寧にインストラクターがサポートする
  2. コーチに会いに来る。=会いに来て貰えるようなコーチになる
  3. 友達に会いに来る。=お客様同士のコミュニティ、交流の場

色々な要素を組み合わせる事によって運動を続けていただき、必ず人間の体は変化が起きて成果が上がってくると自然に口コミ、紹介が広がります。

全員参加型経営
次に、もう1つのソフトの面は全員参加型経営です。売上の目標、会員数目標などは上の者が立てません。経営に参画し自立してもらう、主体的になってもらう、知恵を合わせること。お店を3年後5年後どのようにしたいか、一人ひとりじっくり考えさせて、それをお店の中で徹底的にディスカッションさせます。そうやって3年後5年後に作りたいお店から、今年の売上目標、会員数目標を立てます。こういう売上目標というのは、自分達の思い、心が入っていますので、上が指示命令とか一切しなくても、皆が使命感を持って努力を積み重ねてやってくれるという事だと思います。1番の原動力です。それ以上に一人ひとりのインストラクター達が創業の本気の思い、使命感を持った思いの活動によってそれが出来ていると考えます。

今後の展望
「1人では手の届かない『夢』を成し遂げる」皆の力を合わせて実現するという事です。思いを1つにして、自分1人では決して出来ない事をやろうと、常に考えてこの10年経営してきたつもりです。自分がすごい経営能力やリーダーシップ能力、カリスマ性がなくても、皆の力を合わせれば今後はそれ以上の事が絶対出来ると思います。現在、1500店舗のうちの直営店が50店舗ほどで、残りはフランチャイズです。フランチャイズだと理念や方針の浸透がやりにくいのではないかと聞かれますが、それぞれの地域に根を張って事業をするフランチャイズオーナーと思いを1つにする事により、力を発揮出来るという事です。
紹介や口コミで67万人の会員が集まった、実は会員も一緒になって健康の輪を広げようという思いでやっていただいているからです。自分が単に健康になったというだけでなく、自分が健康になったから友達にも健康になってもらおう、そういう形で健康の輪を広げる事によって、地域の役に立てる、人の役に立てる、という思いをメンバー、お客様と一緒に共有し合うのです。
今後この輪を100万会員、200万会員の人達に広げていき、病気と介護の不安のない高齢化社会を作る事に向けて頑張っていきたいと思います。
 


(「SPRINGシンポジウム2014 in 長崎」にて)