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経営者の声

2016年1月8日

有限会社トップリバー 代表取締役社長 嶋崎 秀樹 氏

「儲かる農業~ド素人集団の農業革命」
 

間違いだらけの農業
農業というのは儲からない産業です。農業業界で利益率10%というのは殆どいません。10億円の規模でも最終利益は1000万程度、利益率0.1%あればいい方です。人件費、給料体系も違います。農業はトップの方が1千万、1億貰おうが、下の方の従業員は時給1000円がいいとこです。農業産業をするにあたり、儲かるというイメージでやるなら、考え方を変えないとうまくいきません。まず、何のために農業をやるか?CSRや、社員に農業やらせたいという考えでは一切無理です。この業界で残業無しというのは無理です。第一次産業というのは1週間に6日7日、1日15時間働いても、労働基準監督署が怒らないという特別ルールもあるくらいです。これが今の農業の現状なのです。

農業経営者の指導者は質量ともに不足
農業で大企業ほどの人材育成が出来るかというと、本業でない限りなかなか出来ません。農業業界で成功するには、まず農業経営者が必要です。日本で成功している方は、農業経営者になれた方です。しかし、農業経営者を作った方は殆どいないです。いかに農業経営者を作り出すかが人材育成であると思っています。農業大学を出たからといっても農業経営者としては使い物になりません。若い人を農業に送りこもうとする最近の政策は間違った教育です。農業は、地域を活性化する為にあり、地域の人口の補てんに入れるものではありません。
日本には250万の農家がいます。昭和30年代から約6分の1に減りましたが、高齢者も含まれます。農家の割合はヨーロッパの殆どは1%前後ですが日本は2%で先進国ではトップクラスです。日本は専業農家に限らないからです。老若男女、高齢者まで農家の担い手としてやっている。先日オランダの皇太子から輸出の関係のお話を聞きました。フランスも新規の半数以上は農業外から来ている方、若い方、そして頭のいい方。農家の人はいません。もしも農業を変えるのなら、エリートになれる方を農業業界に送ることです。しかし、その受け皿がない。これが問題です。

若い農業経営者を育てる
農業が赤字でも本業が黒字だからいい、という発想はやめていただきたいです。たとえ1円でも農業を黒字にするというのが私の信念です。必要なのは農業経営者を作ることです。農家は数字の管理が出来ません。P/Lとか、B/Sとか、全然わかっていません。私は、農業業界を本当に助けてくれるのは東大、京大を出たような人達だと思っています。東大、京大というのは比喩表現で、要するに頭が良くて心がある人という事です。この先いずれ5年か7年のうちには、農業業界は、トラクターに乗るなどの現場ではなくて、営業・マネジメント、農業全体を見ているような業種が、就職の項目の一部に入ると考えています。ここに東大生、京大生に入って頂きたいです。

儲かる農業経営者とは
生産法人作ったからといって経営者ではありません。経営者は継続して、儲けなくてはいけません。社員の生活を保障しなくてはいけません。しかし、今まで農業は殆ど家業でした。一番の問題は、技術はあるけど、小さなところでしか出来ない農業。そして雇用というのは家族でしか出来ない。技術はあるけど、どうやって家族経営に他人を入れていくのか、どうやったら個人経営から組織農業にしていくのか。企業農業ではなく、組織経営なのです。そこそこの山奥は動物達に返してやるべきだと考えます。出来れば、そろそろ衰退しそうないい畑がある地区に農業経営者を送り込んで、何かモノをつくる、それをまず狙うのが経営者ではないでしょうか。

大規模農業のノウハウ構築
農業経営者が必ずやらなくてはいけない事が大規模化です。国の政策は農地中間管理機構という組織を作り、小さい農家さんを外していこうという方向に向いています。お年寄りにはお年寄りの、若い人には若い人の施策をするのが平等です。それぞれにマッチした能力を発揮させる、というのは老若男女の施策で、大規模化のノウハウなのです。
この業界はだいたい部下が5人から10人が限度です。部下が10人だと3千万から5千万の売上です。そこまでは出来るのですが、売上1億、2億に持っていくのは非常に難しい。日本には売上1億2億の方は何人もいますがもともと農業経営者だった人です。作るモノ、土地、労働力、人材、あらゆるモノが違います。また、遊休農地を解消出来るのは農業経営者だけです。お隣の人が亡くなったからといってお年寄りは遊休農地はやりません。

雇用が出来て納税が出来て地域貢献
行政が一番期待しているのは、その土地に若い人達を呼んできて、そこで農業をして、子育てして、お金をたくさん使ってお金を落として、納税して貰うことです。私も農業人の3大義務というのを考えております。大規模化して、雇用して、そして納税をしてくださいということです。ところが農業は殆どそれが出来ておらず、逆に補助金を貰っている状況です。最近は納税をしない人間にお金を払い、儲けない人には150万くれるという間違った政策まであります。
いかにして農業経営者を育てるかが大きな課題です。私の会社は、利益を出すのは契約栽培・契約販売です。今までのように農協経由で市場に出して、その相場でお金を出す。農家は「自分で価格決定権がない」と言っていますが、自分が価格決定権のない所に出荷しているのが悪いのです。ちゃんと勉強して、農協の中でも外でも契約栽培をして契約販売をする。ある程度、固定費があれば、固定費くらいは契約栽培をして契約販売すれば、赤字にはなりません。

トップリバー流人材育成
現在28名ほどの若者が当社で研修中です。学歴は殆ど中卒から大卒です。今1番成果を出しているのは中卒の子です。ただ学歴が高い人より、頭のいい人のほうが使いやすいです。何故かというと伸びる可能性が高いからです。若い人達はモチベーションが弱い、個人では力を発揮しない、集団にならないと発揮出来ない、最近はみんな粒が揃って、大粒ではなく小粒で揃っていて、静かです。昔はガキ大将のような存在がいたのですが、今はいない。人選をしますが、逆に人がいない、非常に厳しい業界です。350日は働く、年間に5000時間以上働く、という方がいたら90%以上成功するでしょう。技術や機械は進んでいますが、農家の経営者の心が発展途上国です。これから新しい人を作ることに是非皆さんにご協力いただきたいです。

農業で「幸せになろう」の合言葉
トップリバーの最終目的は、農業という道具で幸せになることです。お金を得る事も幸せの一部です。お金を払う時は、払い過ぎと思うくらいの金を支払い、彼らにはこの給料がちょうど良いだろうと思う金額は、彼らから見ると安い、という事を覚えておいてください。当社もアルバイト、大卒も含め3年間はみんな一緒で自給800円~1000円程度ですが、4、5年経つと最低でも300万~400万、6年目で700万という子もいます。今6人の子が家を建てています。農業業界でこれだけ払える会社は意外と少ないです。どうしても経営者は安い経費で抑えたいと思いがちです。でも経費を考え過ぎると農業業界は育ちません。会社のお金は社長のお金ではありません。上の人が貰ってくる領収書は会社の経費であり、それは社員のお金なのです。

儲かる農業の営業
最終的には、精魂込めて作ったモノをいかにして付加価値を付けて、農産物を売るかが大事です。農業業界を制するのは営業です。一般に言うセールスではなくマネジメントが出来る営業です。
ここまで言っても農業業界に参入したいとか、農業業界と手を組みたいとか、支援をしたいという前向きな方には、非常に期待しています。一部ですが支援させていただきたいと思います。

 

 
 (「SPRINGシンポジウム2014 in新潟」にて)