事例紹介

2015年1月8日

株式会社明神館 ~明神館が進める「本物」のサービス~

 

 今回は、本物へのこだわりを社員全員で実現!「株式会社 明神館」のハイ・サービスのポイントを紹介します。
 自家製無農薬有機野菜を使った安心の食事、全国どこでもドア・トゥ・ドアのバス送迎・観光、頻繁なリニューアルによる新空間の提案等、本物へのこだわりが世界に認められ、インバウンドにも積極的。
 そんな明神館のハイ・サービスのポイントと「人材育成」「マーケティング」をキーワードとした今後の展望について、ご紹介します。


 
 
★ハイ・サービス日本300選 第6回受賞★
「本物」「本質」の追求と時代の先取りにより、洗練されたサービスを提供

 
★ハイ・サービスのポイント★
【第6回受賞時のポイント:サービスの高付加価値化】

 
●提供サービス
顧客に満足してもらえる質の高いサービスの提供を目指して「本物」「本質」を追求。ゆったりとくつろげる空間づくり、JAS有機認定自家農場の野菜などを使った料理、いち早くエコロジー活動にも注力。日本の文化や伝統を海外に発信することで海外客の誘致も図っている。

 
●ハイ・サービスのポイント
時代を確実にキャッチアップし、変化する顧客のニーズに先回りをして常に新しい価値を提供するために、徹底した顧客志向での空間と料理の価値を追求。独自のオーガニックフレンチを導入するなど新しい提案を継続することにより、質の高さを認定された世界各国のホテル・旅館やレストランでつくる協会(本部:フランス)の「ルレ・エ・シャトー」から加盟を承認されている。
 
  • 顧客のニーズに応えることを使命として、家具やその配置、料理の器、もてなしの方法やその空間など、その時々に必要だと感じたものを提供している。保守的な顧客が去っていくこともあるが、来るたびに変わる明神館の変化や進化を楽しみにしているリピーターが多い。顧客にリピーターとして定着してもらうためには、新しい提案の継続によって陳腐化を避けることと、個別の顧客に対する柔軟なもてなしが重要だとしている。
     
  • 30年間に5度のリニューアルを行っているが、一気に多額の投資をせず、1回の投資額を抑えてリスクを分散している。リピーター向け専用のクラブラウンジに最近では庭を加え、また以前置いていたアジアンテイストの家具をイギリスのものに切り替えるなど、施設の増改築を新しい価値や提案の一部として、次々に手を加え、常にトレンドの先取りを心がけている。
     
  • 料理は旅館の生命線であるとして、常に「本物」を見つけアレンジ。自家菜園で栽培した有機JAS認定の有機野菜や地元の新鮮な食材を使用した日本初のKIJ(Kushi Institute of Japan)認定レストランでの本格的マクロビオティック(長寿法)料理の提供など、通常の温泉旅館的な料理に終わらない様々な試みを行っている。
     
  • 求められるサービスが高度化していくに従ってそれぞれのプロが必要となったため、アルバイト従業員の採用をやめ、全て社員で対応。社員教育も重要視し、ザ・リッツ・カールトンなどに社員を連れて行きサービスを体験させたり、社員同士のノウハウの共有も行っている。
     
  • 少子化や若者層の旅離れ、車離れなどに対する危機感の中でインバウンド(海外の観光客)への取り組みが必須であるとし、「ルレ・エ・シャトー」加盟にマーケティングの一部として取り組み、2009年承認を取得。
     
  • 時代のニーズとマーケティングへの影響を考え、エコへの取り組みは必須として、いち早くコージェネレーション発電やオーガニック栽培などを行い、2009年5月には国際エコラベル「グリーンキー」認証を取得(日本での第1号)。
 
 


 
 
【現在の取り組み -インタビューより- 】

■「人材育成」が最重要事項
 
 人材育成こそが、最も重要と考え、取り組んでいる課題です。
 サービスは人材から生まれ、その人材にどれだけのスキルが身に付くのかにより、サービスの質は大きく変わります。後輩は先輩から指導を受け、また同時にその先輩も教えることで成長します。職員が切磋琢磨し、互いに成長できる環境づくりが、お客様に、そして会社全体にも利益をもたらすと確信しております。

 
【今後の取り組みの展望】

■成長のための「2つのカギ」

 「人材育成」と「マーケティング」のリンクが今度の成長を握るカギであると考えます。どんなに素晴らしい「人」という財産があっても、正しい「マーケティング」が伴わなければ、それを活かすことが出来ません。今何が求められ、そこにどんな人材を育て、投入するのか。このリンクを上手く機能させれば、そこには自然に素晴らしいサービスと、お客様の大きな満足感が生まれます。
 
 お客様の満足感は職員へとフィードバックされ、個々のモチベーションをアップさせます。個々のモチベーションアップは、サービス全体のチームワークも上昇させ、ご満足いただけるサービス提供に繋がります。この「プラスの循環」を生み出し高めることは、我々ピープルズビジネスに関わるものにとって、常に変わらぬもう一つのカギであり、最大限の取り組みをするべき課題です。
 
 多くのものが機械に取って代わられる中で、「おもてなし」とは最後まで人の温かなここによってのみ、実現可能なものなのです。

2014年12月現在)