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開催レポート

2014年6月10日

<2013.11.15開催>ハイ・サービスクラブ SPRINGシンポジウムin九州 「ハウステンボスの取り組み 東洋一の“観光ビジネス都市”を目指して」講演

ハウステンボス株式会社 経営企画室室長 高田 孝太郎 氏


↑ハウステンボスホームページより


ハウステンボスの過去

 この地域は長崎県が1970年代に工業団地用地として工場誘致を始めていた。83年、長崎オランダ村が大村湾沿岸で開園した。オランダ村は86年にピークの年間200万人超のお客様を迎えたが、交通渋滞が激しく周辺地域の社会問題化していた。解消策として県による駐車場用地購入の打診があり、このことがきっかけとなりオランダ村の創業者であった神近義邦氏が中心となって87年に「ハウステンボス計画」が発表された。環境調査をおこない、環境に配慮して土壌を改良し、自然石を積み上げた。
 90年に建築工事を開始し、92年にグランドオープンした。総投資額約2,200億円、すべての付帯施設を入れて152ヘクタールの規模となった。これは東京ドーム33個分、ディズニーランドとディズニーシーを合わせた広さであり、単体のテーマパークとしては国内で最も広い大きさとなる。
 オープン時の経営理念は「潤いのある環境を蘇らせ エコロジーとエコノミーとの調和に挑戦し 安らぎと喜びと感動に溢れる 持続可能な循環型 水辺の街を創造し続けます」というものだった。
 環境に配慮して、エネルギー効率の高いコ・ジェネレーションシステム、生ごみを堆肥化して再利用するコンポスト処理、下水を5ppm以下に浄化してトイレ洗浄やボイラー洗浄に再利用する高度下水処理システムなどを導入した。
 なお「ハウステンボス」はオランダ語で「森の家」の意味である。
 ハウステンボスは、「エコロジー」では一定の成果を得たが、「エコノミー」では大変厳しい道のりをたどった。テーマパークの成功の鍵を握る3つの要素、すなわち「近隣に大規模なマーケットを有していること」「アクセスが充実していること」「ブランド力を有していること」がいずれも欠如している。入場者数は96年に380万人のピークを記録したが、それ以後は右肩下がりで2003年に会社更生法を申請するにいたった。一度も利益を出せず、スポンサーも撤退した。


↑高度下水処理システムを見学


ハウステンボスの現在

 2010年にH.I.S.の支援のもとで再建が始まった。現在の経営理念は「世界の人々に喜びと感動を提供し、新しい観光都市を創造します」に変わった。以前は17世紀のオランダをテーマとして、オランダ人が見てもオランダと思ってもらえる建築物が並び、オランダにつながりのあるイベントを開催した。しかし90年以降は円高もあって簡単にオランダに行ける時代になった。今はオランダにこだわらず、お客様のニーズに応えることを考えて、「観光ビジネス都市」を打ち出した。その一環としてベンチャー企業を誘致しており、ハウステンボスで英語を勉強しようというプログラム(「イングリッシュスクエア」)や、未病のお客様に鍼灸や温熱療法を施し、ハウステンボスに行って健康になろう、というサービスが始まっている。地元の短期大学がキャンパスを作り、賑わいを創出している。いろいろな企業に入ってもらい活気のある町にしたい。
 再建1年目では、テーマパーク事業で利益を出せるようにし、フリーゾーンを設けた。2年目は人気漫画の「ONE PIECE 」からサウザンドサニー号を導入し、ベンチャー企業誘致を開始した。3年目は全体の賑やかさとサービスのクオリティを向上している。4年目はスマートハウスやメガソーラーなど新しいことに挑戦している。


スタッフの意識改革

 黒字化達成に向けて、社長の澤田から「3つのお願いごと」として言われたことがある。1つめは「明るく・元気に・楽しく!」。ウソでもいいから明るくやろうということだ。当時は、半年先が見えない経営状況で、気持ちも暗くなりがちだった。2つめは「みんなできれいに!」。澤田によれば、伸びている会社の共通点は工場がキレイで事務所が整然としていることだ。ハウステンボスのバックヤードは雑然としていた。オフィスからキレイにしようということで、澤田を含め10分前から雑巾がけをしている。3つめは「2割の効率化」。経費の見直しとスピードを上げる努力をするということだ。経費で2割、スピードで2割、合計4割プラスになれば黒字になる。何も効率化するものがない場合は歩くスピードを上げる。


イベントへのこだわり

 半年間で初めて経常利益が黒字となった。初めての成功体験で、スタッフにヤル気が出てきた。各エリアでイベントの企画が生まれるようになった。イベントにはこだわりがある。「世界一」「日本一」「日本初」にこだわっている。東京のディズニーランドや大阪のUSJでやっていないものとして、「ONE PIECE 」のサウザンドサニー号があり、2011年3月に世界初の就航を実現した。これに乗りたいのでハウステンボスに来たというお客様が増えた。
 光の王国は2000年から始めていたが、当初は150万球だったものを、2010年に700万球(東洋一)となり、11年は820万球、12年は1000万球で世界一となった。11年からは3Dプロジェクションマッピングを始め、これを見に来るお客様が増えた。
 「チューリップ祭」は国内最大であり、品種改良をしている。「巨大迷路MAZE」も世界最大級である。「100万本のバラ祭」は日本一。5月中旬からのシニアのお客様を集めている。そのほか、ガーデニングのワールドカップ、ゴッホ展(日本初登場作品を展示)などを提供している。
 イベントには失敗したものもある。近くに陶器の名産地があるため、陶器市を開いたが、すでに有田でゴールデンウィークに100万人規模のイベントがあり、ハウステンボスでの陶器市は中途半端に終わった。この経験を生かして陶器市はやめることにし、オンリーワン、ナンバーワンにこだわるようにした。
 今の体制になって経常利益、営業利益を黒字化した。


↑「光の王国」イルミネーション


ハウステンボスの未来

 東京大学と共同で「スマートハウス」を立てた。太陽光、風力発電で室内の電気をまかなっている。ここで培ったノウハウを活かし、スマートホテルを建設したい。その中のオペレーションは自動化し、ホテルの経費を抑える。将来は外に、できれば世界に展開したい。


↑スマートハウスのご説明を受けました


【質疑応答】

Q.お客様のニーズの把握方法は?

  A.アンケートでおこなう。

Q.広告・宣伝は?

  A.国内外、海外に営業拠点を置いている。

Q.コストの削減方法は?

  A.固定資産税を減免してもらっている。額は年間約8億円、10年間。そのほか場内修繕など自分たちでできることは内製化している。仕入れも、国外を含めて広く探して適正価格になるようにしている。


以上