開催レポート

2014年2月10日

<2013.10.24日開催>業務革新セミナー「新幹線・車両清掃における『おもてなし』」

株式会社JR東日本テクノハートTESSEI

おもてなし創造部長 矢部輝夫 氏

 
 
 
 
TESSEIとは何か?
当社は、平成24年度の経済産業省「おもてなし企業経営選」50社の中の1社に選ばれました。私どもは、JR東日本の5本の新幹線の清掃業務を行っております。従業員数846名、平均年齢50歳、女性率38%です。新幹線をお掃除する普通の会社です。それがなぜ、キラキラする会社に見られるのでしょうか?それは、おもてなしを創造する会社を目指していること、世界最速の『魅せる清掃』を行っていること、日本の美徳「礼」へのこだわりをもっていること、現場からの様々なアイデアをお客様に発信していること、などの取組みから、「従業員が活き活きと仕事をしている」姿を見られるからではないでしょうか。皆さんが、現場で当社の従業員の元気な挨拶を聞いて、感じたとおりだと思います。
 
我々は8年前より、「TESSEIとは何か」を考え続けてきました。通常、「清掃業」と思われるかもしれませんが、よくよく考えると、「サービス業」なのです。CS、ESが成り立たないとできない会社なのです。私たちのサービスは何か、それは「思い出」なのです。例えば、私が新しい車を買って家族を旅行に連れて行った時の、家族の満足そうな顔・・・それと同じで、思い出を通じてサービスを提供することなのです。建設業でもそうです。家族と長く住んだ家を建て直す時に、簡単に壊してしまってお客様が悲しんだという話があります。そこで、業者が家を壊しながら一枚一枚写真を撮っていったということです。彼らの仕事もまたお客様の思い出を大切にする仕事です。ですから、その思い出を売る仕事を「新幹線劇場」と呼んでいますが、この言葉は、実は現場のスタッフが発案したものです。
 
 
TESSEIの目指すおもてなし
経営理念・行動規範に、マニュアルもしっかりつくっております。例えば、「スマイル・テッセイ」という冊子を使っておもてなし教育をしています。また、「スモール・ミーティング」と題し、一日一回一分以上、なんでもいいから話し合う場をつくっています。そして話し合った課題への対応について「エンジェル・リポート」「感動物語」「お客さまつぶやきメッセージ」などの媒体で、必ずフィードバックを行っています。これを紐解くと、何のためかと申しますと・・・「さわやか・あんしん・あったか」を届ける思いなのです。この3つを基礎に、私たちのおもてなしが成り立っています。TESSEIの最高のおもてなしは、お客さまに「さわやかな空間」を満喫していただき、「あんしん」してご利用いただくことなのです。このおもてなしを、「7分間の魅せる清掃」で実現します。そのため、徹底した指揮命令系統とチームワークで認め合い・尊敬し合う文化を築いています。スタッフたちはニコニコとした顔で業務に当たっていますが、彼・彼女は実際、非常に厳しい指導も受けているのです。そして、キャリアパスも明確にしています。
 
それから、新幹線は外国のお客様が多いですから、日本の文化・美徳をぞんぶんにアピールする努力もしています。「仕事の再定義」によって、現場から様々な改善の工夫をしています。例えば、東北地方を元気にするために、お手製の折り紙で「パンダおみくじ」を置いたり、お客様に季節を楽しんでもらえるようなコサージュを帽子に付けたりしています。
 
このような活動の目的は、従業員皆に生き甲斐、喜び、誇りを持ってもらうために、成功体験を積み重ね、その成功体験をみんなで共有してもらうことなのです。それが現場力となって「価値観の変革」が起こるのです。「価値観の変革」を支えるのはそれを実現する「人々」の力であり、会社とスタッフとの「共創」なのです。
 
 
「価値観の変革」を支えるTESSEIの教育
このような土壌づくりのために、教育・研修の場では、スタッフの建設的な提案に対し、 決して「NO!」と言わないことにしています。ビジネススクールのケーススタディで批判の議論をするようなものではなく、「二流、三流の戦略でもいい!一流の実行力を持とう!」と、提案実現力を高めるための取組みをしています。みんなのプロジェクトを大事にし、がんばる人を大事にします。認め合う文化が、スタッフの生きがいと喜び、誇りを導き出すのです。ただ、教育で一番難しいのは、全然その気のないスタッフを教育することです。そこで、これまでの叩き込むような教育ではなく、「共育・協育・驚育・響育・鏡育・恭育」といった、鏡のようにお互いを見て育つ教育をしていこうと検討しています。また、毎日の実践そのものが教育(=今日育)なのです。会社としても、スタッフを応援して皆のモチベーションを高め、教育してそれを受け止めるだけの素地がようやく出来てきたと思います。
 
真心と思いやり、それはお客様にとってのことも然り、仲間に対しても大切なことなのです。そして一番大事なのは、自分自身への真心と思いやりです。それが、お客様と私たちとの中にハッピーをつくり、仕事の中に喜び、楽しさ、誇りを持ち続ける人づくりにつながると信じ、私たち会社はスタッフと一丸となって仕事をしているのです。
 
 清掃終了後は、全員が社外に並んで一礼します。
 
事務所廊下には、お客様のためにスタッフが作成した折り紙が、
壁一面に貼られています。
 
 
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遠藤功 著/あさ出版発行