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経営者の声

2017年3月13日

ヤマト運輸株式会社 執行役員国際戦略室長 梅津 克彦 氏

「クロネコヤマトの国際クール宅急便

 

 

「バリューネットワーキング」構想
ヤマト運輸の宅急便は、ボイスオブカスタマー・お客さまのお声からものを考えております。お届けする背景、お届けされる側に対して、どういう付加価値を作るのかということと、通常の物流とは全く違う形で考えています。そこで、物流を「バリューネットワーキング」という一つの言葉に置き換えました。
現在、日本と同じ宅急便サービスを上海、台湾、香港、マレーシア、シンガポール、2017年1月からタイで行っていますが、今後市場が統合されていくところにどうやってシームレスな物流を差し込んでいくのか、宅急便を日本のインフラ・アジアのインフラにして、最終的には世界基準にどうやって持っていけるのか、日本が今後どういうプレーヤーになれるのかという観点で、私たちは今、「バリューネットワーキング構想」を考えております。
 

 

  

沖縄の国際物流ハブ
ポイントの一つに、沖縄の国際物流ハブがあります。これは、沖縄の地政学的なメリットを示したものです。沖縄からはアジアの主要国に航空機で、4時間圏内で届けることが可能です。それらを網羅すると、かなり大きな市場が見えてきます。沖縄は、少子高齢化が少なく、昔から海外貿易が根付いており英語を話す層が日本全国で一番多いというメリットや24時間の通関機能があるため、もっと多角化して各地方行政と組み、沖縄をアジアとのゲートウェイにしたいと考えております。
私たちが今後に向けて一番進めたいのは、セントラルキッチン機能です。各県のおいしくて安全なものを、海外に出すために、沖縄がセントラルキッチン機能を果たすことを考えています。その他に、加工などのメーカー機能をつける方向で検討しています。
 

国際クール宅急便について
国際クール宅急便は、日本からアジアへ最短翌日で1個からお届けできる、小口保冷のスピード輸送サービスです。日本の農水産品を、鮮度を保ったまま、アジアにお届けすることが可能になります。
 

PtoCプラットホーム
国が、農業に専従されている方の可処分所得を数年間で150万円ぐらい上げるということを提唱されました。今までの農水産品の物流の流れである「生産者は作るだけ」というものから、私たちは生産者が自分の意思で販売する選択肢を提供できるのではと考えたのです。生産者「Producer」消費者「Consumer」をつなぐPtoCという言葉を作り、産直をクロスボーダーで外に出すためのインフラをヤマト運輸が作るというものです。今までは、たくさん量がないと送れなかったものを、リンゴ1個からでも送れるというプラットホームを提供することを考えました。そして、生産者の方々の高齢化も踏まえて、作ることに専念するPtoCプラットホームを今後どう作っていくかが、私たちの大きなポイントだと考えております。
 

生産者と消費者をつなぐ
ヤマト運輸は三つの柱があります。
・LT「ロジスティクステクノロジー」
・IT「インフォメーションテクノロジー」
・FT「フィナンシャルテクノロジー」(決済)
全てのヤマト商品は、この3種をスクリーニングしています。2013年から始まった国際クール宅急便では、生産者の「物は作れるけれども、誰にどうやって売ったらいいのか」という声と、海外消費者の「買いたい・食べたい・見たい」というピッチャーとキャッチャーのマーケティングをアシストする機能がありませんでした。物を運ぶヤマト運輸だけではなく、生産者の方、着国側の消費者の方、輸出者・輸入者の方の販売関係を構築しないといけません。ヤマト運輸は基本的に輸送者ですので、適切なパートナーと共に、どこの誰に対して売れば良いのかという商流を構築していくことが、私たちの今後の施策であります。
 

オープンプラットホーム
現在、ヤマト運輸では、国際クール宅急便の輸送モデルを世界基準にもっていこうと動いています。米国BSIと契約を結び、最終段階としてはISO化を狙っております。マーケットが巨大になり多様化するにあたり、お客さまが満足する品質できちんとお届けするにはどうしたらよいのかを追求しなければいけません。自社もしくはアライアンスにおいて、宅急便の海外での基準をどう底上げするのかを考えると、キーワードは、オープンプラットホームだととらえています。このISOを狙うのは、国土交通省が委員会を作り業界が一つになり、日本のクール基準をどうやって海外に出していくのか、社会的な事業として物流をどうとらえるかが、私たちの考えるところです。
ヤマト運輸が新聞で発表させて頂いたロッカー設置もオープンプラットホームです。他の会社にも使っていただき、物流の水準を上げることを目的としていますが、一番メリットを得られるのは実は消費者の方だという観点で進めています。
 

世界基準化にむけて
世界基準化を進めていく中で重要なのは、生産者の声、それから県の声です。ヤマト運輸は、皆様のお声を頂戴して育てて頂きました。海外展開においては、今までのやり方ではスピードが追いつかない点について、皆様のお声で作り上げたビジネスモデルを駆使し、ノウハウを体系化しようとしています。これからは、中国やヨーロッパなど、世界各国の皆様のお声に、知財を踏まえてどう対処していくかが重要になってくると思います。
もう一つ、物流の世界基準を進める上で、日本が決定的に欠けているところが、食品の安全の基準です。世界とのギャップであるHACCP(ハセップ)の取得率のパーセンテージを、どうやったら増やせるかということを、日本の生産者の方々と共に考えています。
海外展開が進んでいきますと、物流の中で食品の安全を可視化する必要が出てきました。ITを使って、生産者の意思と情報を着国側に届けることが今後の施策になります。各都道府県の市場・空港の通関がデジタル化され、生産者情報が瞬時に届くことを考えており、これらの完成期限が2020年だと考えています。
私たちは、行政、各都道府県、皆様からのお声を頂き、オープンプラットホーム構想を軸に、国際物流の進化に向けて進んでいきたいと思います。
 

 

   (「SPRINGシンポジウムin仙台」より)

 

※ヤマト運輸株式会社が運営する「国際クール宅急便」は、第1回日本サ―ビス大賞国土交通大臣賞を受賞されました。